
1.カウントダウンで何をしたいのか
僕は今「三月の5日間」を公演する日までのカウントダウンとして写真を1日に一枚公開している。
もちろん意味があってカウントダウンをしているし、適当に何日も何時間もかけて写真を編集(レタッチ)しているわけじゃない。
僕が言い出して始めたことなんだけど、ちゃんと説明していなかったので、ここにまとめることにする。

2. 写真で演劇をする
まずここでは
演劇とは“ある場所”で脚本を下に俳優と観客の間に起こる現象だとしよう。
僕はこの“ある場所”とは直接的でも間接的でもどちらでもいいと考えている。
具体的に言うと、直接的は劇場やホール、間接的なのは映像や写真などを写すスマホなどがある。
スマホで誰かがある写真を見る。
この人(観客)と被写体(俳優)間である脚本の下に現象が起こったとき、それは演劇と言えると思う。
そしてそれが写真で演劇をするということだ。
現代ほぼ8割の日本人が持っているスマホでしかも写真で演劇ができたら面白いことができそうだと思わない?
つまり僕は今回の写真を見た人に「三月の5日間」の下にあるものを感じてほしい。
もちろん大切なのはそれを正しく伝えることである。

3.どうやるのか?
当たり前だけど直接的と間接的はそれぞれ特徴や効果が大きく異なり、それを理解し使いこなすことが大切である。
今回僕が意識していることは、写真が写し出した“存在”を脚本である「三月の5日間」のベクトルに合わせてレタッチすること。
今回役者それぞれが持つイメージの波を合わせて、その重ね合った波が作る大きな海をみんなで泳ぐ。そんな感じで波に任せて2月1日に写真を撮影した。
そして役者と稽古の時間を共に過ごし、彼らをしっかり見て感じて、改めて僕の中で思考しレタッチする。
こうやって役者の思う所と脚本が書いた所と写真が写した所の3つを近づけていき写真を完成させる。
(僕はこのレタッチの時間が苦しいけど結構好き。好きだからこうやっているだけなのかも知れないなとたまに思う。)

4.最後に
この「三月の5日間」が表したい世界はきっとどこの劇団であっても、いつの時代であっても変わらないと思う。
僕は劇場に来るお客様にどっぷりとその世界に浸かって欲しい。むしろ溺れてほしい。
僕が思う理想はこんな感じだ。
1カ月前から手元にあるスマホの写真で「三月の5日間」の世界に少しずつ触れていき、日を増すごとにそれは深く重くなる。
そして当日劇場で観劇して演劇は完成する。
もちろん全てが完璧ではないかもしれないし、そもそも的外れなのかもしれない。
でも僕は可能を信じて今後もカウントダウンを続けていこうと思う。
写真による演劇を楽しんで頂けると嬉しい。あとそれぞれの写真がなぜそうなったのか気になったら卯月本人に聞いてみて。僕はそういう話大好きなので喜んで答えます。



