別に県民投票に限って感じることではない。
市長選、県知事選など僕は今まで選挙という形で日本の政治に参加してきた。
選挙前交差点に幟を立てる人が見え始めると、徐々にテレビ、新聞、ネット、時に身近な友人もがざわざわしてきて、そして家に帰ると普段は見ない堅苦しいはがきが届く。
しばらく机の上に置いてあるそのはがきは、目に入る度に僕に政治への関与を促してくる。
分かってはいるんだよ。でもね。
僕にとって政治は、存在そのものが漠然としていて、遠くにあるのか近くにあるのかも分からなくて掴もうとしても掴めないそんな風に感じるんだ。
仕組みは知っているよ。知ってる知らない、関心があるないとかそういう話じゃないんだ。
選挙や政治は常に正しく、清くなければならない感じがして、それが気持ち悪いんだ。
演説、ニュース、ポスター、教科書に載ってる仕組み。全てそう。
間違いがないように、嘘がないように、腐敗がないように。
その見えない美しさが、綺麗さを通り越してつんと鋭く尖り、心に刺さる。
人間だもの。
人間が不完全なのは23年生きてきた自分を見れば、そして周りを見ればそうだと分かる。
人間が生み出した完全なものはとても少ない。そして政治はきっとそうじゃない。
醜く汚れていて不完全な人間が美しさや正しさを求めるその姿勢は好きだ。
幼稚園の頃に硬くて完璧な丸の泥団子をみんなで作りあっていたみたいな。
ただ、誰かが勝手に作った世界や日本の設計図みたいなものが、どこにも穴はないだろ?綺麗だろう?だからそれ通りにすればいいだろ?ってのが気に入らないのかもしれない。
みんなはどんな気持ちで投票したのかな?
僕はそんな事を思った。