西加奈子の小説「サラバ」
上巻、中巻、下巻の3冊で完結するのだけど、普通ならその全部を読んでここに書くべきなのだろうけれど、中巻の途中の今書いている。
この本はアクツアユム君の生まれてから幼稚園、小学校、中学、高校、それから大学、20代を経て30代へ(今ここ)、きっとそれから更に歳を重ねる過程をアユム君視点で書かれた小説で。
なんというかアユム君が30代になったところで急に怖くなった。
僕は本を読むとき、その内容を1つの別の世界の話としてではなく、自分を投影して割と身の回りのことのように感じながら読んでしまう。
ハリーポッターを読めば僕が知らないだけで魔法が使える世界があるような気がしてしまう(決して僕が杖を振ったら魔法を使えると思うほど幼稚ではない)ようにそんな本の読み方をしている。
だからサラバを読みながら、僕はアユム君の成長に合わせて30代になった訳だけど。
アユム君は30代でハゲ始める。そもそも容姿端麗だった彼がそれだけが原因ではもちろんないのだけど、そこから仕事など色んなことを諦めていくのである。
僕は彼と共に歳を重ね30代になったことで、今の自分のやってる事であったり、感じている情熱であったりが、20代のありきたりなこと普遍的な事のような気がしてしまったのだ。
そんな一般的な僕だから、きっと30代になって効率化と諦めを覚えて、、、
ということを何となく想像してしまったら怖くなったのだ。

写真はきっとどこでもドア。

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